ヘデントール有馬記念特別登録事件から勉強する金商法
ヘデントール特別登録事件のあらすじ
日曜日、ヘデントールが有馬記念に特別登録されたということで話題になっていますね(ライラックが弾かれたって方がセンセーショナルかも)。
そして本日とある出資者さん?のポストでヘデントールの出資者に特別登録費の請求はされない旨のポストが。
これって仮にそうなら実は結構やばい事になりかねないんですが、おそらく大多数の1口会員は何がやばいか分かってないと思うので、1口は金融商品党党首の私が独断と偏見で分かりやすく解説します✨
あらすじ
有馬記念のファン投票優先出走枠は10枠(投票10位まで)、それ以外は賞金順で出走決定
→へデントール(ファン投票10位)が有馬登録。なお、ヘデントールはクラブの更新で年明け始動が明言されており、帰厩もしておらず有馬記念を使う可能性はほぼ0
→これによりライラックがファン投票11位になる
→この時点での10位までの馬に優先出走権が付与され、へデントールが回避した場合にはファン投票の順位が1つ下のライラックではなく、賞金順で決定される。そのためライラックではなく賞金順上位の馬が出走可能に
(12/17追記:スティンガーグラスは出馬投票しない事を馬主であるエムズレーシングが公式?Xにて表明のため、1部修正)
この手法は問題なのか?
結論としては、手法自体別に問題ではない。です。現行のルールを賢く(?)使った裏ワザだと思います。
ただ、ここで1つ問題が産まれてしまうのです…
ヘデントールってキャロットクラブの馬じゃね?と😱
キャロットのクラブ馬ということは、そうです1口なので第2種金融商品です!そして金融商品の費用を負担するのは出資者である会員になります。
有馬記念に特別登録するには約6万円の費用がかかるため、ヘデントールの出資者はこの費用を口数で割った金額を負担しないといけません。
数百円なんだから端金だろと思ったそこのあなた。センスないのでお帰りください👋🏻
もちろん出るつもりで登録したけど、体調が整わず回避します…というのであれば何も問題はありません。しかし、今回厄介なことは既に更新で年明け始動と明言してしまっていることです。※「基本的に年明け始動」とのことです。訂正して謝罪いたします。もっともその場合当然ヘデントール出資者が費用負担する事になりますので、仮に補填する場合、補填出来るのかという問題点は引き続き変わりません。むしろもっと怪しくなるように思います(12/17)。
出るつもりがないのに特別登録して出資者に費用を発生させる、これは会員の利益を追求する必要がある金融商品としては問題になりえます。利益が絶対に発生しない(レースに出ない)のに、なぜかレースに出るための費用出せ!と言われることになるわけですからね。
雑に例えれば、ファンド商品に投資してたのに、突然運用を任せていた証券会社が慈善団体に寄付をしてその費用負担を払ってくださいって言われたようなもんです。え、なんで?1ミリも利益にならないよね?って出資者としてはなりますよね🙄
まずここまでが、その裏ワザ手法1口クラブの馬でやるのはまずいんじゃない?ってとこです。ここまで皆様ついてきて貰ってますかね…?
では、その特別登録費を会員に負担させなければ良いのでは?と考えたそこのあなた。
ここで問題が1つ発生するのです。。。
問題とは?
一口馬主は金融商品と冒頭で説明しましたよね。ここでこれが大きく関わってきます。
今回ヘデントールが出るつもりもないレースに登録した事で、ヘデントールの競走馬ファンドの出資者には費用負担が発生します。この費用負担はいわゆる「損失」になりえますね。
さて、この損失を運用者であるキャロットクラブが補填出来るかというとこれは原則出来ません。なぜなら法律で決まってるからです。
金融商品取引法
(損失補填等の禁止)
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 (省略)
二 (省略)
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
条文は⬆の通りなのですが、何言ってんのかわかんねー!って人が大多数だと思います。
分かりやすくいうと、金融商品取引業者は取引で顧客に損失が生じた時に、その損失を補填する行為が禁止されています。
これなんで?と思う方もいるかと思いますが、投資は自己責任という原則がある中で、損失を証券会社とかが補填した場合、補填を受けられるお得意様、受けられない小口投資家と格差が生じてしまうという問題点が背景にあると言われています🤔
そもそも1口クラブは全クラブ第2種金融商品取引業者として登録されています。なので、金融商品取引業者は顧客に対して損失補填できず、当然ヘデントール出資者に特別登録費分の損失を代わりに払うって事は原則出来ません。
なお、例外として「事故」に該当する場合には損失補填は出来ますが、その手続きは法律上決まっており、弁護士とかに分析を頼んで初めて整理できるレベルのことです(既にこの整理を1日足らずで終えたというシゴデキの可能性は微妙に残る)。
そして、今回仮に出資者に費用負担はありません!とキャロットクラブが発表した場合、問題になるのはその分の費用負担がどこから来るのか…?ということです。
キャロットクラブが費用を代わりに負担した場合、1度負担してその後誰かに請求する場合であっても例外に当たらない限り損失補填になる可能性が存在します。
また、キャロットクラブが払うのがダメなら仮に調教師ないしキャロットクラブ以外の他の人が直接支払うならばいいじゃないか!と思う方がいるかもしれません。
確かに一理はあるものの、
①その場合出資者には特別登録費を発生させずに特別登録が出来てしまうという利益が発生してるので、ヘデントールの出資者にだけ特別に利益を供与していないか?(これはこれで別の金商法違反の可能性)
②ヘデントールの特別登録のために発生した費用なので、ヘデントールの競走馬ファンドから支払わねばならず、そもそもそれを関係ない調教師等が支払う事が出来るのか?
という問題点が出てきてしまいます。この件は次の記事⬇に続く…
つまり、単に請求しないから!と言うのは簡単ですが、その背景には1口が金融商品だからこその複雑な問題が絡み合っているのです…🙄
この問題は今後どうなっていくのか、注視していきたいと思います。
少しでも皆様の理解のお役に立てたら幸いです🙇🏻♀️
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※あくまで個人の感想、現時点でネットに出回っている内容を元に個人的に考察したものですので、内容の正確性については保証しかねますので、本当に正確なのか知りたい方は専門家にご相談ください🙇♀️
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